ドバイのオフプラン不動産を3年半運用して分かった。「工事進捗」「支払進捗」「投資回収」は別物だった

ドバイの運河沿いの高層ビルと建設中のビルを描いたAI生成イメージ。購入物件の実際の工事写真ではありません。
AI生成のイメージ画像です。購入物件の実際の工事写真ではありません。

※この記事は、私自身が購入している海外不動産の途中経過を記録したものです。特定の物件の購入を勧めるものではなく、投資助言でもありません。海外不動産には、工事遅延、契約・事業者、為替、税務、管理、流動性、元本損失などのリスクがあります。

ドバイのオフプラン不動産を買ってから、定期的にアプリを開き、工事の写真や進捗率を確認し、決められた時期に支払いを続けてきました。

完成前の物件を購入し、数年かけて支払う。言葉にすれば単純ですが、実際に続けてみると、「工事が何%進んだか」「代金を何%支払ったか」「投資資金を何%回収できたか」は、まったく別の数字だと分かります。

この3つを一つの「進捗」として見てしまうと、順調に見えすぎたり、逆に必要以上に不安になったりします。今回は、Dropboxに保存している契約書、支払計画、直近の受領書を見直し、2026年10月時点で確認できる事実と、まだ確認できないことを分けて整理します。

目次

まず訂正。「購入から約5年」ではなく、契約資料上は2023年3月

以前の記事で、私は「支払いが始まったのは約5年前」と書きました。しかし今回、署名済みの売買契約書を見直すと、契約日は2023年3月21日でした。2026年10月までの経過は約3年7か月です。

記憶だけで振り返ると、検討を始めた時期、購入を決めた時期、最初にまとまった資金を用意した時期、契約日が混ざります。長期間の投資ほど、本人の記憶でもずれます。

この点は、過去記事の表現が正確ではありませんでした。ここで訂正します。そして、この訂正自体が今回の一つ目の学びです。長期投資の検証は、記憶ではなく、日付の入った一次資料から始める必要があります。

一次資料で確認できた契約の骨格

今回確認した売買契約書では、物件はドバイの完成前物件で、契約上の購入価格は1,342,000 AED。完成予定は2027年6月です。

支払計画は、契約時の支払いを起点に、3か月ごとの分割払いが続き、完成時に最後の20%を支払う設計です。さらに、購入価格とは別に登録料4%などの費用が定められています。

一方、契約直前の日付が入った別の支払計画書には、総額1,372,000 AEDという記載もありました。署名済み契約書の金額とは30,000 AEDの差があります。

私は、こうした数字の違いを都合よく一つにまとめないようにしています。現時点で購入価格として扱うのは署名済み契約書の1,342,000 AED。別資料との30,000 AED差については、資料の作成時点や条件の違いを含め、最終精算まで照合が必要な項目として残します。

投資記事では「総額はいくら」と一つの数字を出した方が分かりやすいのですが、分かりやすさのために資料間の不一致を消してしまうと、実際の投資管理から離れてしまいます。

工事進捗は36%。ただし2026年9月22日に確認した過去値

2026年9月22日にアプリで確認した建設進捗は36%でした。これはその日の確認値であり、2026年10月28日の現在値としては扱いません。

進捗率は、何を分母にして算出しているか、外観の完成度と設備・内装の進み方がどう対応するかまで、アプリの数字だけでは分かりません。写真で建物が大きく立ち上がっていても、残っている工程が軽いとは限りません。

完成予定の2027年6月まで時間はありますが、36%という数字だけを見れば、「本当に予定どおり完成するのか」と考えるのが正直なところです。ただし、この数字だけで遅延を断定することもできません。

ここで大切なのは、工事進捗率を値上がり率や安全度のように読まないことです。36%は、私の資産価値が36%増えたという意味でも、投資の36%を回収したという意味でもありません。

支払予定と実際の入金反映を分ける

支払計画には、2026年9月21日の第14回支払いまでの予定が記載されています。ただし、登録料を含む比率と購入価格に対する支払比率を混同しないよう、累計比率の断定は保留します。次は2026年12月、2027年3月にそれぞれ3%、そして完成時に20%という流れです。

工事進捗と契約上の支払予定は、異なる基準で示されている数字です。

支払いが先行していることだけで、直ちに契約違反や損失を意味するわけでもありません。もともとの契約が、工事出来高と同じ割合で支払う設計ではないからです。

また、「契約上の支払予定」と「販売会社側で入金が正しく充当済み」は別です。直近では、2026年10月9日付の3,000 AEDの受領書を確認できました。ただし、その受領書の明細は「On Account」「Un Applied」となっており、特定の分割金へ充当済みであることまでは確認できません。

受領書があるから安心、ではなく、次に見るべきなのは残高明細です。支払日、受領額、カード明細、為替レート、販売会社側の充当先を突き合わせ、未充当が残っていないか確認する必要があります。

投資回収は、まだ始まっていない

工事と支払いは進んでいますが、物件はまだ完成していません。賃貸にも出していないため、賃料収入はまだありません。売却もしていません。

したがって、物件運用から実現した回収額という意味では、現時点で回収は始まっていません。

もちろん、周辺相場や販売価格を基に評価額を推定することはできます。しかし、査定額、広告価格、実際に売却できる価格、諸費用を引いた手取り額は別です。今回、現在の売却査定や成約可能価格は確認できていないため、「含み益がある」「値上がりしている」とは書きません。

支払いが進んでいても、同じ割合を回収できたわけではない。工事が36%進んでいても、投資成果が36%確定したわけではない。この区別は、オフプラン投資を続けるうえで最も重要だと感じています。

円で考えると、同じAEDでも毎回の負担が違う

契約価格はAEDで固定されていても、日本円での支出は固定されません。私はアプリからカードで支払ってきましたが、実際の負担には、支払時の為替レート、カード会社の海外事務手数料、利用限度額、決済のタイミングが影響します。

そのため、単純に「1,342,000 AED×現在の為替」で総投資額を出しても、実際に支払った日本円総額にはなりません。過去の各決済時点の円換算額と手数料を合算する必要があります。

さらに、完成時には20%の残金があります。円安が進めば必要な円資金は増え、円高になれば減ります。完成予定日が近づくほど、工事だけでなく、残金をどの通貨でどの時期に準備するかも大きな課題になります。

海外不動産の価格を見るときは、物件価格だけでなく、登録料、決済手数料、為替差、完成後の管理費、賃貸管理費、税務・送金コストまで含めた手取りで考えなければなりません。

オフプラン特有の流動性リスク

株式や暗号資産は、価格が付いていて取引可能なら、売却操作そのものは比較的短時間でできます。国内の賃貸不動産は時間がかかるものの、既存建物と賃貸実績を基に査定できます。

一方、完成前の海外物件は、途中売却が可能か、名義移転にどの条件があるか、手数料はいくらか、買い手が見つかるかを個別に確認する必要があります。売りたいと思った日に現金化できる商品ではありません。

しかも、工事進捗と支払いがずれている途中段階では、買い手が何を評価するのかも複雑です。完成期待、立地、デベロッパーの信用、支払済み額、残債、移転費用、市況が絡みます。

私は現時点で途中売却を前提にしていませんが、「必要なら売れるはず」とも考えないようにしています。オフプランに入れた資金は、完成・引き渡し・賃貸開始まで長く動かせない可能性がある資金として管理する方が現実的です。

完成までに確認しておくこと

今後は、少なくとも次の項目を別々に更新します。

  1. アプリで確認した工事進捗率と確認日
  2. 契約上の支払予定率
  3. 実際の支払額と販売会社側の充当状況
  4. 完成予定日の変更有無
  5. 引き渡し時に必要な残金と諸費用
  6. 完成後の管理会社、管理費、賃貸条件
  7. 家賃の受取方法と送金・税務の扱い
  8. 売却査定を取る場合の価格、手数料、実現可能性

完成後は賃貸に出す予定です。家賃をUSDTで受け取る方法も選択肢として検討していますが、まだ確定ではありません。実際に利用できる契約、手数料、相手先、法規制、税務処理を完成時点で確認してから判断します。

暗号資産で受け取れるというだけで便利・有利とは限りません。ウォレット管理、送金先の確認、価格変動、換金、会計記録など、新しい管理項目が増えます。現地銀行口座を使わない手軽さと、別のリスクが発生することを両方見なければなりません。

国内不動産との違いは「完成しているものを運用する」までの距離

私は国内でも賃貸アパートや戸建を運用しています。国内物件では、空室、修繕、管理費、家賃、融資返済など、運用開始後の数字が中心になります。

ドバイのオフプランでは、その前段階が長い。契約し、支払いを続け、工事を待ち、引き渡しを受けて、ようやく賃貸運用のスタート地点に立ちます。

同じ「不動産投資」でも、管理すべきリスクの順番が違います。完成前は工事・契約・為替・支払い。完成後は入居・管理・修繕・家賃回収。これらを一つの利回り予想に押し込めると、途中のリスクが見えにくくなります。

まとめ。順調か失敗かを急いで決めない

今回、一次資料を見直して確認できたのは、次の事実です。

  • 売買契約は2023年3月で、2026年10月まで約3年7か月
  • 署名済み契約書の購入価格は1,342,000 AED
  • 登録料は購入価格の4%と定められている
  • 完成予定は2027年6月
  • 契約上の支払予定と実際の入金充当状況は、別々に照合する必要がある
  • 工事進捗36%は2026年9月22日に確認した過去値
  • 2026年10月9日の3,000 AED受領書は確認できたが、未充当表示だった
  • 完成前で、賃料収入・売却代金による実現回収はまだない

この物件が成功だったか、失敗だったかは、まだ結論を出せません。

ただ、実際に3年半以上続けて分かったことはあります。オフプラン投資では、「建物ができているか」「支払いが進んでいるか」「資金が戻っているか」を、同じ進捗率で語ってはいけないということです。

完成後にきれいな結果だけを書くのではなく、予定と現実の差、資料間の不一致、未充当の入金、為替負担、流動性の低さも含めて記録します。投資の途中を残すことが、次の判断の精度を上げると考えているからです。

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筆者プロフィール

加藤晃司。医療法人永朋会理事長。名古屋・神奈川・札幌で6クリニックを運営し、児童精神科をコアコンピタンスに、皮膚科・泌尿器科・内科・美容皮膚科を展開。居酒屋まつFounder。事業で得た資金を、国内外の不動産、株式、暗号資産へ分散し、成功だけでなく失敗や途中経過も記録しています。暗号資産では、WeFi、GoMining、BST、XDAO、BASIS、BitradeX、CopyX、Sellomonを実際に利用しています。

※本記事は個人の投資体験を記録したもので、将来の収益や元本を保証するものではありません。投資判断は、ご自身で最新の契約条件、法規制、税務、手数料、価格変動、事業者・流動性リスクを確認したうえで行ってください。

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