家賃38万円でも「利益38万円」ではない。国内賃貸不動産を実際に持って分かった、表面収入と手残りの差

AI生成の概念図。日本の戸建住宅と低層アパートの前で、家賃を表すコインがローン、税金、修繕、管理などの費用を通過して少なくなる様子を示す。実在の物件写真や本人の口座画面ではない。

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本文末尾の共通リンク集には紹介リンクが含まれ、登録等により私に紹介報酬が発生する場合があります。本記事は私自身の運用記録であり、特定の不動産、ローン、暗号資産その他の金融商品を勧めるものではありません。

「家賃が毎月38万円入る」と聞くと、かなり安定した投資に見えるかもしれません。

私が保管している2023年7月8日時点の資料では、名古屋市内で賃貸していた区分マンションの家賃が月18万円、戸建の家賃が月20万円。合計すると月38万円でした。

一方、同じ資料に記録された毎月のローン返済は、区分マンションが70,899円、戸建が112,833円です。

家賃38万円から返済183,732円を引けば、196,268円が残るように見えます。しかし、これは利益でも、自由に使える手残りでもありません。管理費、修繕、固定資産税、保険、空室、原状回復、募集費用、契約上の分配などがまだ反映されていないからです。

暗号資産は価格が毎日動き、評価損益が目に入ります。賃貸不動産は価格表示が毎日更新されないため、安定しているように感じます。実際には、変動が消えたのではなく、見えにくくなっているだけでした。

今回は、シノケンの賃貸アパート2棟や名古屋市内の区分マンション・戸建を保有、運用してきた経験から、「家賃収入」「返済後の差額」「本当の手残り」をどう分けて見るようになったかを書きます。

まず、確認できた数字と確認できない数字を分ける

この記事で使う数字は、現在値ではありません。2023年7月8日に作成・保管した資料と、2024年6月に保存されたシノケンの収支計画書に記載された数字です。

2023年7月8日時点の保管資料

資産 月額家賃 当時のローン残高 月額返済
名古屋市内の区分マンション 180,000円 19,742,448円 70,899円
名古屋市内の賃貸戸建 200,000円 31,918,862円 112,833円
合計 380,000円 51,661,310円 183,732円

これらは資料作成時点の契約・返済状況であり、2026年11月現在の残高、家賃、入居状況を示すものではありません。現在値を確認できていないため、古い数字を現在形で扱わないようにします。

2024年6月に保存されたシノケンの計画書

賃貸アパートの計画書の一例では、6戸合計の年間収入予定が4,204,800円、月額収入予定が350,400円、月額ローン返済が253,743円と記載されていました。

物件価格は税込82,600,000円、借入予定は83,760,000円、自己資金は2,440,000円。不動産取得税は概算910,000円、固定資産税・都市計画税は年額概算380,000円です。

ただし、これはあくまで当時の「計画書」です。実際の融資条件、完成後の賃料、入居率、修繕、現在残高、現在の売却価格とは別です。計画値を実績に置き換えてはいけません。

家賃38万円と利益38万円は、まったく違う

賃貸不動産で最初に混同しやすいのが、売上と利益です。

事業で言えば、家賃は売上に近い数字です。そこからローン返済、管理費、修繕、税金、保険、募集費用などを支払います。さらに、返済額の中には利息だけでなく元本返済も含まれます。

元本返済は、その月の現金を減らします。一方で、会計上は全額が費用になるわけではなく、負債を減らして純資産を積み上げる面もあります。

このため、「現金が残ったか」と「資産が増えたか」は別々に見なければなりません。

  • 家賃収入:入ってきたお金
  • 運営費:管理、修繕、保険、募集等で出ていくお金
  • ローン利息:資金調達の費用
  • ローン元本:現金は減るが、負債も減る
  • 税金:取得時、保有中、売却時で種類と時期が異なる
  • 売却損益:売るまで確定しない

暗号資産なら、画面上の評価額と出金できる金額を分けて見ます。不動産では、家賃と手残り、返済と純資産、査定額と実際の売却代金を分けて見る必要があります。

表面上の差額は196,268円。でも、これを利益とは呼ばない

2023年7月8日時点の2物件について、家賃合計380,000円からローン返済合計183,732円を単純に差し引くと、196,268円です。

私はこの数字を「返済後の机上差額」と考えます。

ここからさらに、物件ごとの管理費・修繕積立金、火災保険、固定資産税、設備交換、原状回復、空室期間、入居募集に伴う費用、契約上の分配などが影響します。毎月同じ額が出る費用と、数年に一度まとめて出る費用が混在します。

たとえば給湯器やエアコン、屋根・外壁、防水、共用部設備は、毎月壊れるわけではありません。しかし交換時にはまとまった資金が必要です。修繕がない月だけを見れば高収益に見え、修繕月だけを見れば赤字に見えます。

だから私は、月次の差額だけでなく、年単位で修繕準備金を確保した後の現金を見る必要があると考えるようになりました。

家賃保証があっても、家賃が固定されるとは限らない

シノケンの計画書には空室保証の記載があります。空室時の収入を安定させる仕組みは、運用の手間や短期的な変動を抑える点で意味があります。

一方、同じ資料には、賃料が定期的に見直され、経済事情や近隣相場等によって減額となる場合があること、契約期間中に解約となる場合があることも明記されています。

これは「保証があるから将来の家賃も確定している」という意味ではありません。

保証の有無だけで判断するのではなく、

  1. 保証対象となる収入の範囲
  2. 賃料見直しの条件
  3. 更新・解約の条件
  4. 保証開始までの期間
  5. 保証外となる設備や費用

を読む必要があります。

利回りの数字は一行で表示できますが、その利回りを成立させる契約条件は数ページに分かれています。実際に保有して分かったのは、数字よりも注記の方が重要な場面が少なくないことでした。

不動産の値動きは「表示されない」だけ

暗号資産や株式は、市場が開いていれば価格がすぐに表示されます。価格が下がれば不安になりますが、変化を把握しやすい資産です。

不動産には、毎日更新される一つの正解価格がありません。

それでも、実際には次の要因が常に動いています。

  • 周辺賃料と入居需要
  • 金利と借入条件
  • 建物・設備の経年劣化
  • 修繕履歴
  • 固定資産税や保険料
  • 売却時の買い手の融資環境
  • 管理会社やサブリース契約の条件

査定を取らない限り評価額の変化が見えにくいだけで、価値が固定されているわけではありません。値動きが画面に出ないことを、リスクが小さいことと同一視しないようにしています。

流動性が低いからこそ、現金を別に持つ

国内不動産は、暗号資産や上場株式のように数分で現金化できません。

売却を決めてから、査定、媒介契約、買い手探し、価格交渉、買い手の融資審査、契約、決済まで時間がかかります。売りたい時期と、条件の良い買い手が現れる時期が一致するとも限りません。

この流動性の低さは、相場を見て衝動的に売買しにくいという面では長所です。しかし、急な修繕や本業の資金需要が発生したときには弱点になります。

そのため私は、不動産の含み資産を「すぐ使えるお金」とは考えません。修繕や税金に備える現金、事業を守る現金、長期投資に回す資金を分けておくことが大切だと感じています。

借入は収益を増幅するが、失敗も増幅する

不動産投資では、自己資金だけでなく借入を活用できます。少ない自己資金で大きな資産を持てるため、運用が計画どおり進めば効率は高まります。

しかし、家賃が下がっても返済は続きます。空室や修繕が重なっても、金利が上がっても、返済日を待ってはくれません。

2024年の計画書では、物件価格82,600,000円に対して借入予定83,760,000円、月額返済253,743円でした。自己資金が少なく見える設計でも、取得税、固定資産税、運営費、将来の修繕、金利変動まで含めれば「少ない資金で簡単に持てる」という話ではありません。

レバレッジは、利益だけでなく判断ミスも拡大します。借りられる金額と、無理なく持ち続けられる金額は別です。

私が国内不動産で毎回見るようになった5つの数字

現在は、家賃や表面利回りだけではなく、最低でも次の5項目を分けて確認します。

1.実際の入金

契約上の家賃ではなく、その月に実際に入った金額です。

2.運営費を引いた後の現金

管理、修繕、保険、募集、税金の月割り相当を考えます。

3.ローン返済後の現金

毎月の資金繰りに直結するため、利益とは別に管理します。

4.ローン残高

物件価格だけでなく、売却した場合に返済しなければならない負債を確認します。

5.売却にかかる時間と費用

査定額から仲介費用、税金、繰上返済費用などを引き、すぐ現金化できないことも含めて考えます。

この5つを並べると、「毎月家賃が入っているから順調」という判断から一歩離れられます。

暗号資産と不動産は違うが、確認すべきことは似ている

私は暗号資産ではWeFi、GoMining、BST、XDAO、BASIS、BitradeX、CopyX、Sellomonを利用・検証しています。

サービスごとに仕組みは違いますが、共通して確認するのは、表示された評価額、実現した利益、出金可能額、ロック、手数料です。

不動産でも考え方は同じです。

  • 表示家賃と実入金
  • 家賃と手残り
  • 査定額と売却可能額
  • 返済による純資産増加と、今月使える現金

大きく表示される数字だけを見ず、「その数字をいつ、どの条件で、いくらの現金にできるのか」を確認する。これが、複数の投資を実際に続けてきて最も重要だと感じていることです。

まとめ――安定とは、値動きが見えないことではない

2023年7月8日時点の資料では、区分マンションと戸建の家賃は合計月38万円、ローン返済は合計183,732円でした。

しかし、単純差額196,268円をそのまま利益とは呼べません。保有中の費用、将来修繕、空室、契約条件、税金、売却時の費用と時間があるからです。

賃貸不動産の良さは、毎月の入金を設計しやすく、借入を使いながら長期で資産形成を考えられる点にあります。一方で、価格とリスクが毎日表示されないため、順調に見えやすいという難しさがあります。

私にとって国内不動産は、暗号資産の反対側にある「安全資産」ではありません。値動き、費用、流動性の現れ方が違う資産です。

今後も、家賃、返済、修繕、税金、売却可能額を分けて記録し、表面収入ではなく、実際に残る現金と負債の減り方の両方を見ていきます。


暗号資産を含む現在の利用サービスと関連記事は、lit.linkの一覧にまとめています。リンク先には紹介リンクが含まれ、利用等により私に報酬が発生する場合があります。掲載は安全性や収益性の保証、推奨順位を意味しません。

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著者プロフィール

加藤晃司。医療法人永朋会理事長。名古屋・神奈川・札幌で6クリニックを運営し、児童精神科をコアに、皮膚科・泌尿器科・内科・美容皮膚科を展開。居酒屋まつFounder。投資では、WeFi、GoMining、BST、XDAO、BASIS、BitradeX、CopyX、Sellomonを利用・検証しています。

※本記事は2023年7月8日時点の保管資料および2024年6月に保存された収支計画書をもとに、2026年11月5日に整理した個人の記録です。現在の残高、家賃、入居状況、売却価格を示すものではありません。不動産・暗号資産には価格変動、空室、修繕、金利、流動性、契約、税務、元本損失等のリスクがあります。本記事は投資助言ではなく、利益や元本を保証するものではありません。

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