ビジネスは規模を大きくすれば、リスクも同時に大きくなることを忘れてはいけない
スケールさせることだけが起業後のゴールではないだろう、と今は思います。
自分の経験から、最近よくそう思うようになりました。
実業では、とにかく無駄を排除していっています。たぶん今後は一生無駄を排除する行動をとり続けると思います。
攻めの意識がしばらく強かったのですが、今は守りの意識がかなり強くなっている、ということです。
自分へのリスクはとれても、他人へのリスクがとれない、感じです。
自分の中でのこの感覚が変わらないならば、戦い方はこれまでとは変わってくるだろうと、漠然と考えています。
先日、ZX barで知人と飲んでました。
その方も起業直前だったので、ビジネスモデルの話がでました。
実店舗ビジネスは箱を作り、人を雇い、設備投資し、在庫をかかえ、と、1回の投資に金がかかります。銀行からの借り入れで資金調達する、というのが一般的でしょう。店舗が増えると総売上が増えてうれしいですが、リスクもちゃんと同じように増えていきます。
その流れに乗り過ぎないように、M&Aを時おり入れて、ビジネスを現金化し、リスクを削る作業はありだと思います。
売却した資金でまた同じビジネスを成功させることができるなら、またそれをM&Aしてビジネス自体をお金に変えるのは悪くない発想です。
がむしゃらにスケールすることだけが、唯一の正解ではないとほんとに思います。
なぜなら、ビジネスはスケールするほど、抱えるリスクも大きくなるからです。
一番重要なのは、お金の問題です。日本での起業は、創業者保証が基本です。これは恐ろしいことなのですが、株式会社を起業した時に、銀行から融資を受けたとして、その時に創業者が連帯保証人のサインをすることがデフォルトなのです。株式会社のサインだけではお金を借りれないことがほとんどです。ちなみに、私もそうです。
となると、ビジネスをスケールして扱う金額が大きくなれば、何かで大きく失敗した時に一発退場があり得るということです。
しかも個人で返せる金額でなければ、その時点で自己破産です。倒産=自己破産、日本の中小企業ではこのパターンが多いはずです。
米国では、起業は1,2回失敗している方が、どこで失敗するかもわかるし、複数回起業していることが評価されることがあります。チャレンジして失敗してみないと分からないことばかりなのが実業です。学校で習ったことは正直まったく役に立ちません。
米国では、銀行借り入れではなく、莫大な金のある投資家が、将来価値に対する株価でがっつり資金投入してくれるから成立しています。会社がもしつぶれても株が無価値になって終了、これなら再起できます。
スケールする戦いをしないということはビジネス規模は大きくしないということです。
スケールを狙う戦いのらせんから降りた時、やっぱり寂しいと思うのだろうか。
最近よく考えます。
何が幸せなのかは人それぞれでしょうし。
稼いだ金は実業にそのまま全振りしていた時から、今は一部投資に回すようになりました。それが正解なのかは分かりませんが、投資はそのために知識をつけるようになりますし、リスクを個人で持てます。このハイブリットが今はちょうどいい気がしています。
私は起業してちょうど10年、新規事業へのチャレンジ、そして撤退をなんども経験できたおかげで今の考え方にたどり着きました。ほんとに休みなく働き続けてきたので早巻きでページを先に進めることができたと思います。若い時に週休二日とかで本気で休んでいたら伸びしろは正直まったくないと思います。
当たり前のことを、他人よりもどれだけ多くの時間をかけてやることができるか、スタートアップの段階から、次のステージに駒を進めることができるかは、圧倒的な時間、物量しかないと思ってます。
他人からみて成功していると思われている人、成功後にあっていると余裕がように見えるかもしれませんが、おそらく現時点でもかなりハードワークでしょうし、若い時は、休みなんかなしで起きている間はほとんど仕事に時間をぶち込んでいるはずです。
生まれながらの天才以外は、そうじゃないと勝つことなんかできない。
実業を、規模の拡大を狙うか、そうじゃないのかは、必ずそれを選択する時が来ます。
ビジネスで何を成し遂げたいのか、を明確にしておけば、おのずと答えはでるはずです。
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