自我境界、って何
精神科界隈のなかで、自我境界、という単語があります
自分と、他人を分かつ、心の境界、壁みたいなもの、と考えてします。
エヴァンゲリオンでいう、ATフィールドみたいな感じです。見えないけど、そこにある、みたいな。
自分が自分であり、他人と自分は明確に異なった存在である、となんとなく思えるのも、この自我境界によって、自分の自我が守られているから、といった感じです。
風船みたいに、自分のまわりを全周でかこっていると、イメージしていただいた方が分かりやすいかもしれません。
この自我境界は、大人になるにつれて完成していきますが、一度完成したとしても、何かのきっかけで、境界がくずれそうになることがあります。
例えば自我境界に穴があいてしまったらどうなるでしょう
風船みたいなものと考えていただくと、自我境界がゴムの部分、自我が空気だとします。
風船に穴があいてしまうと、自我が外に漏れ出てしまいます。
自分の思考、考え、気持ち、が外にもれていってしまっている、他人に伝わってしまっている、という感覚をこの場合は感じるのです。
それを精神科の専門用語で、自我漏洩症状、といいます。
うまい漢字使いますよね、先人たちは。さすがなんです。
統合失調症の早期症状であり、中核症状とも考えられている症状です。
もちろん統合失調症以外の病気でも病態が非常に悪くなると、このような症状を出すことがあります。
また自我というエネルギーが外にでていくので、風船はしぼんでしまいます。
そうすると、なんとなく元気がない、理由はないけど調子わるい、という感覚がでてくるはずです。
自我に穴があくと、そんな感じになるのです。
穴から他人の思考が入ってくる感じ、人の考えが自分に伝わってくる、ということもおきるのです。
自我境界、ATフィールドと同じくらい重要なフィールドであると思っていただけたでしょうか
医療法人永朋会
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