付加価値のある商品、サービスを提供できなければ、値段だけの勝負の泥仕合になる。
日本のインフレは徐々に、徐々にですが、着実に進んできています。
日銀が異次元介入で円を市場にばらまきまくっている以上、円の価値は、その数に比例して低くなっていきます。
まだまだ企業側が気合で値上げをちょっとで我慢していますが、いずれ限界はきます。
そうすると普段買っている生活必需品の値段も確実に上がってきます。
最終価格を上げずらいというのが企業側の気持ちなのでしょうが、こういう場面をみると、仕入れ価格が上がった時に
売値を上げにくいビジネスモデルは弱いなと思います。差別化や、付加価値をつけれないサービス、商品を売っている場合、値段は上げにくいはずです。値段だけでユーザーの方が違う店を選ぶ可能性があるからです。
逆に高付加価値な商品、そこでしか得られない体験、その人でしか提供できないサービス、などは、「そこでもいい」ではなく「そこがいい」となり、値上げしても、それに見合った価値があると判断されれば、トップラインは下がってこないということになるでしょう。
といってもそういうビジネスモデルを作り上げるのが大変ですが、明らかに最初から差別化しにくいビジネスモデルはありますから、そういうものなるべく最初から選択しない方がいい、とはなります。
値段だけの勝負になる土俵で戦ったら、泥仕合にしかなりません。
私もビジネスを選択する時に、上記のようなことは考えてスタートするようにはしています。なので現在自分がやっている実業では世界のインフレに合わせて値段をあげていくことができています。逆に保険診療の医療ビジネスは自分で値段が決められないので、インフレが進行しても値段はあがらずかなりつらいビジネスモデルだと思います。医療ビジネスに関していえば、そういう時にそなえて自分で値段を決めれる自費での医療サービスを増やしていたことはリスクヘッジになったと思っています。
国に依存しているビジネスは医療福祉だけでなく、どれもインフレには弱いです。自分たちでサービスの値決めができない、というのは通常の資本主義ではありえないわけですから、かなり社会主義的です。
インフレが進行すれば、ビジネスを継続していく上で必要なモノ、家賃、光熱費、すべてが高くなるのに、売上は変わらない、となったら、利益=売上ー経費、ですから、利益が確実に減ります。
値段だけの勝負にならないビジネスモデルを起業する前から考えておく。
ビジネスモデルは途中で変更するのはかなり大変だからです。
しかし多くの人がそこまでは考えず、やってみたいこと、自分が興味のあることで、起業する方も多いです。
もちろんそれでもうまくいくこともありますし、やらないよりやった方がいいのは間違いない。失敗しないと分からないこともほんとにたくさんあります。
何のサービス、商品でお客さんを集めて(フロントエンド)、どのサービス、商品で利益を出すか(バックエンド)、このあたりも最初から明確に戦略に組み込めたら、やはりそのビジネスはつよい。
客寄せで利益のない商品、サービスを用意したとしても、確実に利益を出す商品、サービスを裏側に用意していなければ、ただ利益率の低い商品、サービスを出すだけになってしまい、疲弊するだけです。
そして当たり前のことですが、実業は、一番最悪の状況でも死なない、つぶれない、ことがもっとも重要です。持続できれば、その間に次の手を打てるからです。
持続力は、基本的には固定費を限りなく低くすること、だと思います。とにかく無駄な固定費をつかわない、それが失敗する確率を下げます。
成功の秘訣はないですが、どうやったら失敗するかは過去事例が役にたちます。
とにかく生き残ること、これがもっとも重要です。
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