不安のコントロールについて
なんとなく気持ちがもやっとする、落ち着かない、そわそわする、調子が悪い気がする、いてもたってもいられない、いらいらする
などなど、主訴は色々とあると思います。
不安というものがあるとして、それが明確に原因が分かっていれば(現実的に不安を発生させる何かがあるなど)、ある程度コントロールすることができます。
しかし漠然とした不安は、それを不安だと認識できなければ、その他の症状となって外側に現れることがあります。
それは、上記の主訴のような形となることがあります。
色々と探っていって、それは不安がベースにありますね、となったすると、なんだかよく分からなかったものに「不安」と名前がつきますので、一つの形ができます。イメージしていうならば、不安という形のあるものになれば、それを持つことができるようになるという感じです。向き合うことができる。
不安を自分で持つ、キープする力が弱いと、不安とは不快なものですから、自分でもってられないとそれは他人にぶつけたり、その場でおとしてなかったもの(無関反応)として処理されたりします。不安とは人から人へ移動するものだと考えると、少し分かりやすいかもしれません。あくびしていると、となりの人があくびをするみたいに伝染すると。
自分が持てなかった不安を、他人にぶつけると、その他人は不安を自分の中にいれられて、不安になったり、落ち着かなくなったり、いらいらしたり、なんとなく不調を感じることでしょう。そうなると、相手はつらいですから、誰かと安定的な関係を築きにくくなりそうなのは、想像できると思います。誰もが不安を無意識に投げ込んでくる人と一緒にいるのは少し大変です。
それを防ぐには、不安を自分でキープする力が必要です。不安は筋トレと同じで、ずっと自分で持つ練習をしないと、キープ力はあがりません。それ自体はつらい作業ですが、キープ力をあげるためにやるんだ、という明確な目標がなければ不安負荷トレーニングはモチベーション続かないはずです。
もちろん抗不安薬、を使えば、この不安というおもりが少し軽くなるかもしれません。最初のうちはうまく使ってもいいと思います。
そしてその不安が、パニック発作のような生来の気質に少し基づいているものではなく、生育環境、母子関係などから派生しているものであれば、それを紐解く作業は必要となります。原因が分かると、同じ不安の量だとしても、なんとなくキープすることができるものなのです。
不安は誰にでも発生するものですし、容易に発生します。なので、何かの精神的な症状、身体化した症状の原因になることが多いものです。そのくせ、しっかり不安というものを意識して、あるかないかは置いといて原因探し、キープ力強化、をやらないと、なかなか症状がよくならないことがあります。
心理療法とかは、こういうイメージでのぞんでいただくと、目標が一つ明確になりますから、いいのではないかと思います。
内服も、必要に合わせて使った方が効率がいいときもありますし、パニック発作のようなものはうまく使わないとコントロールできない可能性ありますので、ケースバイケースで考慮していってください。
医療法人永朋会
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