ビジネスは、とにかく人人人、そしてリーダーは誰よりも働かなければ誰もついてこない
医療ビジネスも、飲食ビジネスも、とにかく人人人、です。
人モノ金ではなく、人人人なんです。
モノと金は用意できたとしても、勝負は人で決まります。最初のクリニックを作って、今年で10年目、来年の4月で11周年となります。長い経験ではないですが、10年の間で、私の中で出た一つの結論です。多くの失敗を繰り返しましたが、失敗しなければ分からないことばかりでした。何もしなければ失敗しませんが、経験も0、そしてもちろん勝利も0です。0から1にしなければ、何も始まりません。失敗を恐れるのではなく、必ず次につなげて次で必ず勝つ、と思ってやればいいのです。私は医療福祉ビジネスを経営する人の中では、失敗や撤退が多い経営者だと思います。
何事もやってみなければ分からないと思っているので、準備がかなり整ってから新規ビジネスに入っていかないからです。PDCAを回しまくって、ビジネスのスピードの方を重視しています。10勝4敗、3勝0敗、を比較した時、私の個人的な価値観として、10勝4敗の方が気に入っているのもあります。これはどっちがいいというものではなく、価値観の問題で、どういう生き方をしたいのかということでしょう。
話がそれましたが、とにかく人がしっかりしていないと、クリニックはうまくいきません。
しかも医療福祉は本当に泥臭い戦いです、歩兵同士の地上戦といった感じです。
ビジネスは戦場に近い考えが多いと思います。孫氏の兵法もだから経営者が好きなんでしょう。弾が飛んでこない安全な場所からは戦況が把握できませんし、そうなると戦局に合わせた指令はだせません。
戦闘前に作り上げた戦略、戦術は机上の空論です、顧客が予測できない変数の多い人である以上、ほんとにそのとおりに行かないことばかりです。常に変化していく戦いの中で適切な指示を出すには戦場の中にいる人が指揮をとるしかないのです。そしてこれも重要なことですが、チームの士気を高め、下がらないようにするのは、同じ場所にいるリーダーしかできないのです。これは私のビジネス体験からの言葉なので、違う人がやったら同じビジネスモデルでも違う意見がでるかもしれません。でも私はそうとらえています。飲食でも似たような感覚はありますが、医療の方がより強くこの特徴がでていると思います。それはユーザーの目的意識が医療の方が強いからだと思います。つまり敵がより強いわけですから、こちらの戦闘員も鍛え上げられていないと、接戦にももちこめません。しかも1対1での戦いも多いので、集団よりも個の力が求められます。つらい戦場なのです。強い気持ちがないとやっていけないのは、こういうところに理由があります。
だからどうしても現場のリーダーの力が勝つためには必要です。そして資質は会ってみないと分かりませんし、本質的にはしばらく一緒に働かないと分からないとも思っています。ですが我々はすでに戦線が拡大してしまっていて、前線が伸びてしまっています。信長の野望なら、どっからでも攻められるのでだいぶ辛い状態です。各隊が物理的に連携できない場合、イケている将軍が各戦場に最低一人いないと勝てるわけないのです。私自身も特定の戦場にがっつりと入って戦っているので、時間的・物理的に移動できません。となると、人の選定は、会った時の自分の直観を信じるしかないといった感じです。
この前医療法人のスタッフと面談の前に、スタッフの方からミーティング前に私が送った短期・中期・長期の経営計画書みたいなものに対して、トヨタばりにA4一枚にまとめて、提案書を作って送っていただきました。指示していないのですが、事前に作って送ってきたことにまずビビりました。医療ビジネスで、そのような動きができる人は、なかなかいないからです。私個人では考えが及ばない提案もありました。これがシナジーってやつですね。
これは会社でもいえることだと思いますが、私は組織で働くなら、2-3個上のポジションの人だったらどう考えるか、という発想で働くべきだと思っています。これは私が思いついたのではなく、BBTで大前先生から習いました。大きな組織なら2-3つ上の管理職、小さい組織なら社長、でいいと思います。社長だったらどう考えるかが本来なら分かりやすいです。トップがどう考えるのか、今の自分の目の前の仕事が何につながっているのか、なんのためにやるのか、どんな価値を提供するのか、それを考えてやるのと、言われたことだけをやるのは、まったく仕事の意味が異なってきます。提供するサービスのクオリティーも異なってくるでしょうし、自身のモチベーションも変わってくるはずです。部下への指示を出すときも、何のためにそれをやる必要があるのかを、俯瞰した目線で、明確に伝えることができるはずです。企業の、ミッション、ビジョン、を文章化するのも、視覚化して、全体に伝わりやすくするためですが、本質を理解している人に目の前で教えてもらうのとはわけがちがいます。直撃の方がしっくりくるにきまっています。
仕事はどうせある一時期をたまたま一緒に働くことになったのなら、その方にとって意味のある時間になってほしいと思っています。誰かとの出会いが、たまたまの偶然だと思うより、必然だったんだ、と後で思える方が、おしゃれな人生だと思うんですよね。
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