アルバム見るだけでも治療的です
今回の結論は、タイトル通りではあります。
アルバム療法、そんなものがあるのかは知らないですが、私の大学病院時代の松本英夫教授がそう呼んでいました。
母子の最初の出会いが大丈夫だったら、軽い子ならアルバム療法で一発だよ、みたいなことを話していたような気がします。
精神科医になって最初の一年ほど、教授外来についていましたが、実際に見たことはありませんw
おそらく私が新人児童精神科医だったときは、とにかく発達障害をみる病院がなくて、初診はほぼ発達障害という状態だったからかもしれません。
しかし、この発言には一つ条件が入っているのをお気づきでしょうか
「母子の最初の出会いが大丈夫だったら・・・・」
これ結構大事です。
例えば、「お子さんができたと分かった時、どういう気持ちになりましたか?」
みたいな質問をした時に、「うれしくなかった」、「困った」、などネガティブな発言がでるようだとちょっと黄色信号です。
もちろん発言内容はネガティブでも、言い方とか、雰囲気、表情、その後に続く言葉、などトータルで判断すればいいので、だからだめというわけではないですが、イメージとしてこんな感じだとちょっと心配ですね、ということです。
最初の出会い、を子どもができた時、と私は教授からはっきり言われたわけではないですが、そうとらえていました。
最初から出会いにつまずきがあると、その後の生育歴が悪い可能性ありますので、子どもの前で聞くことはできません。
当然この最初に子どもができたとき、の質問も、子どもがいない場面できく質問となります。
この数々のスクリーニング質問をした結果、生育歴問題ないね、そして愛されて育ってきているね、ということが分かれば、アルバム療法可能というわけです。
子どもが自分が愛されて育ってきているか、ということを確信を持てていないとき、心配している時、結構あります。
なにか症状がでていると、もちろんその時の現実的な環境因子、ストレス因子がきっかえになっていることは多いですが、神経症的な症状であれば、アルバム療法はきっと効果的です。
アルバム療法っていっても、ほんとにアルバムをもってきてもらって、生まれてからの写真を母、子ども、治療者でみながら、この時どうだったんですか、とか雑談しながら話すだけです。
しかし、子どもは、意外に自分の小さい時からのアルバム、しっかり見たことない、ってことが多いので、これ悪くないんです。
愛されて育ったんだな、って実感できる瞬間です。だいたい、照れてますけどね。
というわけで、すぐ実行可能なネタを提供させていただきました。
医療法人永朋会
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