うつって何なのか
うつ、と一言でいってもなかなか難しいものです
抑うつ的な状態というのは、どの疾患でもあり得る状態です。
もちろんなんらかの診断がつかなくても、うつっぽい感じの状態に一時的、もしくは長期的になることはあります
なんの原因も思い当たらないこと、も結構あります。なんか別に何もないんだけど、言われてみれば調子悪いような気がする、といった感じです。
あまりに自然に、そして少しずつ、調子が下がっていっていると、人は結構気が付きません。こんなもんかな、と思ってしまいます。
体力あったり、気持ちが強かったり、負けず嫌いだったり、まわりに気を遣ったり、そういう通常であれば人としては強さをもっている人の方が、気が付きにくいかもしれません
自我というのは、風船のようなものだとイメージしたら分かりやすい、という話を以前のブログで書きました。
自我境界という風船の外側の内側に、自我といわれる自分そのもの、自分が自分であるために必要なもの、が入っている、という感じです。
①風船に小さなあながあけば、少しずつ少しずつ空気がもれていくように、自我が小さくなっていってしまう。
②また穴があかなくても、自我というエネルギーが減ったり、増えたりするものであるとするなら、生産より消費が増えてしまえば、しぼんでいってしまいます。
膜がやぶれるパターンの方が、重症だと考えてください。
前にも書きましたが、自我境界が破損すると、自我エネルギーがもれてしまうだけでなく、自他と分ける境界の役目もありますから、自我漏洩症状まででてくる可能性あります。
例えば、他人の考えが自分の頭にはいってくる、もしくは自分の考えが他人に伝わっている気がする、というような症状です。
うつでも、①パターンとなると、病態水準は、精神病レベルとなり、かなり具合悪いので、ここまでくると自力でなんとかするのはかなり難しいはずです。
空いた自我境界の穴を応急処置的にふさぐには、やはり内服治療も必要となってくる、レベルです。本来の自身での治癒力がおいつくまで、外側から絆創膏はる必要あります。
自我エネルギーは通常、自己回復機能ある、ゲームでいうと自動HP回復スキル、がそなわっているものです。
自我エネルギーが減ってきていることを自覚できれば、自分と他人でそれをモニタリングしていけば、勝手によくなっていくことも多いです。
色々な治療は、その自己回復スピードを速めるため、そして他者にモニタリングしてもらうため、に使うことになるでしょう。
こんな感じで、うつ症状といっても、ほんとに様々です。
診断がつくものでなくても、一人で戦っていると効率が悪いこともあります。
医療法人永朋会
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